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「本当に、今だから言える話だからな」
「え、ええ、どうぞ……」
岳さんと付き合い始めてからというもの、あたしの神経のあちこちは広がりっぱなしだ。
人間っていうのは本当に十人十色で、それぞれ共通して持っている筈の意識──例えば常識って言われるものとか──それさえも、フタを開けてみたら違う意識を持っている、なんてことも少なくないのだと。
岳さんのしていることや言っていることから、何となくそういうことが感じ取れるようになった。
それはどれもあたしの中で本当に新鮮で、斬新な感覚ばかりだ。
否定する気も起きない程、人にはそれぞれ色んな思いや価値観があるものなんだと思う。
だから、受け入れがたい話というのが少しずつ減ってきた──そう思う。
「立花はな、凰坂と付き合ってる間、ずっとお前の自慢話してたんだよ」
「自慢……?」
「そう。男同士って集まるとホント、馬鹿な話しかしなくなるんだけど……そういう、話」
「……?」
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