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「どうしてこんなこと気付かせるんだとか、どうしてこんなこと突きつけてくるんだ、っていう責め。あなたも、本を読んでて腹が立ったり後悔したり……そういう覚えない?」
「……ああ……」
それは、願ってもないことかも知れない。
もともと、人が気付きにくいことや自覚しにくいこと、思わず目をそらしがちなこと──。
そういうことを書いていくのが、小説書きの役目なんじゃないのかな……とぼんやり思った高校生の頃。
使命感とは別のところで働いた俺の食指は、決して褒められたものじゃない。
じゃあ、誰も気付いてないことを書いてってやると思った動機に、今思えば自己顕示欲みたいなものが確かにあったのだから。
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