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工事現場なんかに立ててある仕切り用の看板も、この色が圧倒的な筈。危険を知らせるのに一番いいということは、真っ先に目に入るということだ。
なるほど……と勝手に納得しながら、とっくに買って読んだ筈の本を手に取った。
岳さんの本はもうほとんど読んでしまったのに、こうして本屋さんで見ると未だにドキドキしてしまう。
この帯も、銀ちゃんが用意したのかな……なんて考えると、急に本屋さんの商品全部がとても身近なものに思えてきた。
そりゃ、そうだよね。作った誰かがいるから、こうして並んで売られているんだ……。
思わず、本に限らず物を簡単に選ぶのをやめよう、なんて決意をしてしまった。
そうしてにわかに胸が騒いだ後──さざ波のようにワクワクが引いていった。
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