それは本当のことですか?

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 自分でそう思ってしまったせいで、また軽い落ち込みの影が後ろから忍び寄った。  いけない、いけない。 「そこでよ、ほんのりシスコンのお兄さんと、娘バカのお父さんの愛情を利用して、相応しくない相手を排除」 「……なんかそういうのって、ドラマやマンガじゃ不自然じゃないかもだけど、現実じゃあまり……」 「そこよ。だから弱いの」 「はい?」  ゆりは、まるで2時間サスペンスの密室殺人を紐解く探偵さんのように顎に手を当てながら、クルリとターンしながら続ける。 「考えてもみて。佐々木さんよ? 佐々木さん。佐々木さんと親しくないあたしにだって、彼がかなり上等な人だってことくらい判るわよ」 「上等な人……」 .
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