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別れることを決めたのは立花先輩自身だけど、それを促したのは佐々木さんだった……ってことだ。
どちらにしても、終わってしまった恋の顛末の真相が判ったからと言って、今の何が変わるわけじゃない。
ただ、「そうだったんだ……」と苦い思いが渦巻くだけだった。
ショックといえば、ショックだった。
でも、それは立花先輩のことよりも、そんなことがあったのに何も言わずにずっと普通にしていた佐々木さんに対して。
冷たそうだけど、悪い人じゃないんだ、って思ってたんだけどな……
ホントに悪かったって言いたかったんだ、という立花先輩とは別れて、あたしとゆりは夕暮れの街を歩いていた。
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