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少なくとも、曜日がもう一巡りするのを待たなくちゃいけない。
こうして少し考えただけで、胸がぎゅっと苦しくなって、呼吸もままならなくなる。過呼吸の予兆とはまた違うけど。
そういえば、その癖っていつからついたものだっただろう。
いつの間にか癖になっていて、そのきっかけを覚えていないことに今さらながら気がついた。
高校を出る時には、もうあった。じゃあ中学生の時は? 小学生の時は?
何度もぱちぱちとまばたきをする。全然、覚えてない。
そんなばかな……と思った瞬間、マンションの前に車が停まった。
「華緒梨ちゃん、お待たせ」
「あ、雛さん。こんにちは!」
開けてくれた助手席に座った頃には、そんなこと頭から消し飛んでいた。
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