世界のまんなかに行きたい。

26/39
289人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
 少なくとも、曜日がもう一巡りするのを待たなくちゃいけない。  こうして少し考えただけで、胸がぎゅっと苦しくなって、呼吸もままならなくなる。過呼吸の予兆とはまた違うけど。  そういえば、その癖っていつからついたものだっただろう。  いつの間にか癖になっていて、そのきっかけを覚えていないことに今さらながら気がついた。  高校を出る時には、もうあった。じゃあ中学生の時は? 小学生の時は?  何度もぱちぱちとまばたきをする。全然、覚えてない。  そんなばかな……と思った瞬間、マンションの前に車が停まった。 「華緒梨ちゃん、お待たせ」 「あ、雛さん。こんにちは!」  開けてくれた助手席に座った頃には、そんなこと頭から消し飛んでいた。 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!