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『あのね、相手は銀ちゃんよ?』
「え? どういう意味?」
『華緒梨、オネエの行動力知らないでしょ。あの人外見はあんなだけど、中身はあたし達よりオトメなんだから』
「……」
それは、失礼な発言に当たるんじゃないだろうか。
ぼんやりと考えていると、焦れたのかゆりはそのまま続けた。
『ロマンスに対しての情熱がすごいって、そう言ってるの』
「それは……何となく判る気がするけど」
『黙っておくつもりだったけど、教えてあげる。銀ちゃんね、華緒梨と虹原さんのこと伝えてたら電話越しに泣き出しちゃって、ちょっと大変だったんだからね』
「え!?」
驚いて携帯を落っことしそうになってしまった。慌てて携帯を持ち直し、ゆりの声に耳を澄ませる。
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