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それから、何日か過ぎた。
とはいえ、その「何日か」はあたしにとって決して穏やかなものではなかった。
それどころか、心の中はもはや戦争状態だった。
だって、知らなかったんだもの。恋が、こんなに内側から自分を壊していくものだなんて。
今まで誰も、そんなこと教えてくれなかったし、言ってくれなかった。
銀ちゃんが確実に段取りをつけてくれるから、とゆりが何度も言ってくれるのにも関わらず、あてもなく岳さんに会いに行こうとしたのは一度や二度ではなかった。
最初はあんなにぐずぐずして、煮え切らない感じだったのに。
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