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でも、無理もないかも知れない。
岳さんと付き合うようになってからは、ほとんど毎日会ってたんだもん。
一秒ごとに、一時間ごとに、一日ごとに想いが募っていくのは、仕方ないことなのだと──。
はやる想いに戸惑いながら、変に自分の恋心を正当化し始めていた。
学校が休みに入ったから挨拶がてら……と、久しぶりにお父さんの今の奥さんがオーナーであるレストランに足を向けた日のことだった。
気分転換で訪れた店内に、鳶島さんがいた。
「どうしたんですか?」
びっくりして何度も瞬きをする。だって、鳶島さんは眼帯をしていたから。
「どうしたもこうしたもないのよ。ねえ」
「いやー、大変。うちのヨメがマジ怖くて」
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