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「ええ? じゃあ2冊同時に書くことになったの? 大丈夫?」
読みかけていた文庫本をテーブルの隅に置き、華緒梨は目を丸くして驚いていた。
──あの雨の夜に再会してから、3日。
あれから華緒梨は、ずっと俺の部屋にいる。
最初の1日はお互い離れたくないという想いが強くて、ずっとベッドの中──という自堕落をやった。
次の1日は突然神保さんが訪ねてきて、華緒梨と会わせる羽目になってしまった。そこに秋人も加わって騒いで潰れた。
その合間にもそもそと思いつきで仕事をして、次の1日はさすがに着替えたい、という華緒梨が荷物を取りに行って、その間にまた仕事をした。
そうしてできた原稿と、原稿と呼ぶのも怪しい原稿をたった今、織部さんと翠川さんに預けてきた。
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