夢のままでは続かない。

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   華緒梨とよりを戻した瞬間、どうしても書きたくなってしまった、女の話。  今まで書いたものに比べればかなり官能色の強いそれを織部さんに見せるのは、正直勇気のいることだった。  彼女の言う通り、まず銀二に相談してみた方がよかったのだろう。  けれど、何故かどうしても、女性の批評が欲しかった。銀二の感性や仕事が不服というわけではない。  心も身体も女性で──そしてそれをきちんと味わえてる女性に、判断してもらいたかったのだ。  何も人妻だから、既におんなの道を極めているんだろうとか、そういう浅い推し量り方ではない。  俺だって、誰のところに持っていこう……と思った時、織部さんが浮かんだのが不思議なくらいだった。  そういう自分の勘のようなものを信じて、今日までやってきた。  だから、それに従ったまでの話。 .
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