夢のままでは続かない。

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  「……大丈夫だ。書くのは全然、苦にならない」 「でも、たった数日であんな……」  華緒梨は俺がこの2日で仕上げた原稿の量を見て、「ありえない」と驚いていた。自分としては少し頑張ったかな、くらいのものだから何とも思っていなかったが。 「大丈夫だって。何万字埋めたらいいかなって考えたら少し気が遠くなるけど……」  言いながら華緒梨の顔を見ると、目が不安で揺れている。見当違いの心配だな、と思いクスッと小さく笑ってしまった。 「……遠くなるけど、楽しい内容だから大丈夫」 「本当? 本当に?」  訊きながら、華緒梨は置きっぱなしになっていた文庫本をパラパラとめくり出す。 「2冊分って。2冊分って……」 .
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