291人が本棚に入れています
本棚に追加
ひと目で意味が判るとは思ってなかったが、華緒梨は眉根を寄せ、めちゃめちゃ訝しげな目でディスプレイを見つめている。
華緒梨の視線の先には、俺の執筆状況がひと目で判るようなフォルダが表示されている。ファイル名にはそのまま日付も打ち込んであるから、いつ書いたのかは一目瞭然だ。
そのフォルダの中に、書きかけのデータがいくつも存在している。
タイトルがついているものもあれば、日付しかないものもある。
「どれでもいいから、開いて見てごらん」
「いいの?」
「うん」
マウスから手を離し、華緒梨に「どうぞ」と示して見せた。
華緒梨はしばらく逡巡してから、おそるおそる一番上のアイコンをクリックする。すると執筆用のソフトがすぐに立ち上がって、華緒梨がクリックしたデータが表示された。
.
最初のコメントを投稿しよう!