夢のままでは続かない。

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   ひと目で意味が判るとは思ってなかったが、華緒梨は眉根を寄せ、めちゃめちゃ訝しげな目でディスプレイを見つめている。  華緒梨の視線の先には、俺の執筆状況がひと目で判るようなフォルダが表示されている。ファイル名にはそのまま日付も打ち込んであるから、いつ書いたのかは一目瞭然だ。  そのフォルダの中に、書きかけのデータがいくつも存在している。  タイトルがついているものもあれば、日付しかないものもある。 「どれでもいいから、開いて見てごらん」 「いいの?」 「うん」  マウスから手を離し、華緒梨に「どうぞ」と示して見せた。  華緒梨はしばらく逡巡してから、おそるおそる一番上のアイコンをクリックする。すると執筆用のソフトがすぐに立ち上がって、華緒梨がクリックしたデータが表示された。 .
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