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ひとつヒットが出たからと言っていい気になっているつもりはなかったが、俺の中に驕りのようなものが生まれていたのは事実かも知れなかった。
今回のことは、我知らず思い上がるところだったことに対して頭を打っただけ──。
僻みでも開き直りでもなく、心からそう思うのだった。
「……どういうことです？」
この間は、親しげに敬語が消えていた。が、また敬語に戻ってしまった織部さん。
その現実にこっそり息をつき、俺は口を開いていた。
「……すみません、でも、これどうしても織部さんに見てもらいたくて」
「見るだけでいいの？」
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