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引き気味に目を剥いて睨んでやると、それでも綾瀬はにやにやと笑い出した。さっきの感じの悪い笑顔とはまた、全然違う。
というか、普通に気持ち悪い。
「あんなにちゃんと撮れてるのに、しかも駆け出しの人気イケメン作家と社長令嬢となんて、面白いじゃないですか。なんでボツなんだよ、って頭に来て」
「……その割に、楽しそうだけど」
「ええ。この十数日、本気であなたを尾けました」
「……」
思わず閉口すると、綾瀬は堪えきれないというようにクスクスと笑い出した。
こっちが本性なのだとしたら、さっきの【敵丸出し】って感じの物々しい雰囲気は芝居がかかりすぎてたんじゃないのか。
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