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素直や正直は、全くもって正しいことであり、美徳だと思う。
長く付き合っていきたいのなら、なおさら。
ありきたりの日常が一番大事とは言うが、そうは言っても変化は欲しいものだ。刺激なんて大層なものでなくてもいいから。
「そ、それじゃ、駄目なの……?」
華緒梨の声が、さっきより小さくなった。
あまり落ち込ませないうちに回収するのも、新鮮な変化で済ませる為のコツだと思う。
「駄目。俺が口説いたら、華緒梨はちゃんと恥ずかしがったり嬉しがったりすること」
「……。……へ?」
不安に揺れていた華緒梨の瞳が、パッと見開かれる。
「触ったら拒否をしないこと。キスしたら少し焦らしてから、ちゃんと口唇を開くこと、それから……」
「ま、ままま待って、岳さん、何を」
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