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焦れて、その細い顎にもう片方の手を伸ばす。
ビクンと反応した華緒梨の顔を間近まで引き寄せて、その黒いまん丸の瞳を覗き込んだ。
「……っ」
ふるる、と彼女の身体が小さく震えた。
俺はその口唇にぐっと顔を近付ける。でも、キスをする為じゃない。
「華緒梨……?」
「な、なに……?」
「今、なんて返事したの。よく判らないんだけど」
「──!」
俺の中の愉悦に気付いてか、華緒梨の目が驚きに見開かれる。
「が、岳さん」
「んー?」
「イジワルするの、や、やめて」
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