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俺はどうやら、こういう女がツボらしい。
すると、華緒梨の指先が縋るように俺の指をなぞる。
「岳さん、やめて。言う、言うから……」
上ずった声が、嫌ではないということを伝えてくる。
……だから。
そういうの、こっちの気分を煽るだけ、って。
どうして女は、判らないんだ。
華緒梨は逃げ場などないということに気付いたのか、観念したように俺の瞳を見つめ返してくる。
「……いらない。岳さん以外の予約なんて受けないし、いらない……」
「そう」
「岳さん……」
「よくできたな。いい子」
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