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ぼんやりと目を覚ますと、エスプレッソの香りが漂っていた。
エスプレッソマシンは確かにキッチンに置きっぱなしになっているけど、使ったっけ……?
そんなことを考えていると、小さく「あつっ」と華緒梨の声がした。
熱くなる部分に思わず触れてしまったのだろうか、と慌てて起きようとすると、彼女がひとりでフフッと笑っているのが聞こえた。
どうやら自分のそそっかしさがおかしくなってしまったらしく、聞いた俺まで笑いが込み上げてくる。
思わず枕に顔を埋めてくつくつと笑っていると、よからぬ気配が伝わってしまったのか、華緒梨が「あれ?」とこちらに歩いてくる音がした。
ごまかしても何の意味もないので、顔を上げて肘だけついて起き上がる。開いていたドアから、華緒梨がヒョコっと顔を覗かせた。
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