猛禽類の瞳。

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   こんな鋭い人間達に守られて育ったら、そりゃあふわっとした世間知らずになるだろう。  そういう女にわざわざ惚れた自分を省みて、ふと笑い出したくなってしまう。  以前だったら興味を持ちこそすれ、あえて関わることもなかっただろう。  自分の足で飲み会に来ておいて、強い酒かどうかも判らずに飲んで酔い潰れるような女、その後どうされようと文句言うなよ……とか、口には出さなくてもそう考えるようなヤツだったし。  けれどその時ばかりは昔の華緒梨の顔が浮かんだ。どうしてか良心が働いて、そのくせ自分が持ち帰る、とか。矛盾にも程がある。  すると、キンコーン……と部屋のチャイムが鳴らされた。  何かと思えば瑠奈さんが立ち上がり、ドアまで歩いていく。  鷹羽聖夜が、ふっと笑った。 .
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