猛禽類の瞳。

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  「虹原さん」 「あ、はい」 「華緒梨が、どうしてあそこまで過保護にされるのか判るか?」 「……大事な妹さん、だからですよね」 「間違っちゃいないが、シスコンなのは俺じゃない」 「は?」 「知ってるだろう、華緒梨に異常に執着してるんじゃないか、ってやつが」  笑いを含んだその声が、何らかの企みのようなものをもはらんでいた。  鷹羽聖夜はくつくつと笑って、灰皿に煙草の灰を落とす。 「俺は、華緒梨が赤ん坊の頃から面倒を見てる。だから、華緒梨の気性なんか考えなくても把握してる。ああ見えて本人の運も強いらしいから、取り返しのつかない状態にも陥らない。それに、意外としっかりしてるからな」 「……はあ」 .
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