ただならぬ。

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   暦の上ではもう秋。  季節も、まだ太陽が全てをジリジリ焼きに来る感じはまだ真夏なんだけど、風が乾いていて、歩いていてもちょっと涼しい。  岳さんに連れられて、あたしは何故か青優社の応接室にいた。  目の前には、織部さんという女の編集さん以外に世話になるんだ……と紹介してもらった翠川さんというおじさんがいる。  うちのお父さんに比べたら全然若いんだけど、あたしが「お兄さん」と称するにはさすがに無理がある気がする。  翠川さんは楽しそうにニヤリと笑って、あたしをじっと見つめた。  すると、岳さんがムッとしてあたしと翠川さんの間でヒラヒラと手を振る。 「ちょっと、ヤラシイ目で見るのやめて下さいよ……」 .
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