対、世間。

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   ……惚れてる女が甘えてくるのに、欲しがってるものをやらないって。  そんなの男じゃないし。  なんて、自分に言い訳をしながら華緒梨の頭を抱えるようにして、深く口付ける。  顎をくっと押さえつけてやると、華緒梨は自らそっと口唇を開いた。 「ん……」  甘えの混じる、くぐもった声。  その声をもっと聴きたくて、舌を挿し込んだ。  そのまま競うように口唇に噛み付き、舌先で撫でて、そっと口唇で咥えて。  動きに合わせてその都度深さを変えながら、焦らすように何度もキスをする。  すぐにふにゃふにゃになってしまう華緒梨が俺に勝てる筈もなく、彼女の背はいつの間にかドアまで来ていた。  華緒梨が頭を打たないよう、そっと手を差し込んで抱く。彼女の身体を押し付けて、ドアを開いた。 .
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