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「岳さんの、意地悪……」
さっきとは違う、潤んだ瞳が俺を見つめた。
だから──なんでそんな目ができるんだよ。
理性はもう部屋の隅にでも投げてしまって、言葉にはせずに華緒梨をベッドの上に寝かせ、そこに覆い被さった。
──さて、俺の書いたヒロインみたいに、上手に啼けるのかな。
何か負けられない勝負に挑んでいるような気分になりながら、頭の中がとろとろと溶けていった。
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