対、世間。

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   そして、青優社と淳成社──出版社は違えど連携を取り、銀二が企画していたファンを集めての会議室ご招待イベントの議題が「虹原岳の恋愛講座」になり、当選したファンに俺が一連の事情を話し、それが前の時と同じファッション誌に掲載される、ということになった。  会社の枠を越えて同じ話題を扱うことについては、青優社には佐々木と神尾さんが掛け合ってくれた。  淳成社の方は、社長の言葉が意外に軽かった。 「出版社なんてのは人のあらゆる娯楽を集めてできてる会社なんだから、扱われる本人がいいって言ってるんだからいいんじゃないの」と快諾され、緊張していた銀二は拍子抜けしたといっていた。  そして、恥をかいたかたちになった智美だが──。  佐々木から聞いた話によると、聖夜さんがこっそり動いてくれたようだった。 .
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