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そんなこんなで、一旦延期されていたファンイベントが明日に差し迫った夜のことだ。
イベントの後、来てくれたファンと食事会のようなことがあって──で、その後青優社で翠川さんに原稿を持っていく、というハードスケジュールになっている。
もともと引きこもるたちではないが(むしろウロついてネタをキャッチするのが好きだし)、これだけ重なることも珍しい。
そうして色々あった中で割と急いで書き上げた小説をプリントアウトし、華緒梨に読ませていた。
書いた作品を目の前で読まれるのは恥ずかしくないか……とよく訊かれるが、あまりそれは気にしない。というかならない。
そもそも10代の頃から秋人がずっと俺の原稿を読んでいたし、たまに他の友人の手に渡ってある日いきなり感想をぶつけられることも少なくなかった。お前誰だよ、的な。
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