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その流れで持ち込みを始めたものだから、プロの編集は読むの早いな、ってそのくらいだった。
だから原稿を受け取った華緒梨の手が若干震えていたものの、俺としては書き上げた瞬間から終わったものだ。
書いている間と通常ではメンタルの構造が違うと思うし、羞恥心なんてものはほとんどない。
そんな感じで華緒梨が読んでいる間、落ち着いて観たかった映画DVDを観ていたのだが。
ハリウッドものによくあるエキサイティングなアクションラブコメだったのだが、ラストシーンのカタルシスがたまんねーな、と溜め息をついた瞬間だった。
「岳さん……」
その一言だけでボロボロになっていると判る華緒梨の声に、慌てて振り返る。
「!?」
ソファーの真後ろ、原稿を両手で大事そうに抱えた華緒梨が顔を真っ赤にして立っていた。
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