終章・あしたも、あさっても。

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  「宇宙がどうのこうのもいいけどさ、まだ地上のことすらよく判ってないってのに。人間の偏った興味、どうにかならないかな」  そこまで一気に喋って、岳さんはようやく気が済んだのか「ふー……」と溜め息をついた。 「……日本のお医者さんじゃそういう検証、出来ないだろうね。血を取った患者さんにいちいちカウンセリングしたり、同意してもらうわけにもいかないだろうし……」 「そ。性格には後天的なものの影響も大きいから、家族や友人関係まで見なきゃいけない。  とんでもない数の統計が必要になるってのも判ってる。  でも根拠がないなんてまだ言い切らないで欲しいね、俺は。  うまくいけば動物占いみたいに“気にしないA型”とか“小心者のA型”とか分けられると思うんだけど」 「うーん。できたら楽しそう……」 「血と体液の血液型違うってヤツは難しいけど」 「岳さん、それ以上はあたしがついてけない」 「そう?」  ようやく我に返ったのか、岳さんはちょっと恥ずかしそうに肩を竦めて笑った。  なんか、今話してたことすら後々ネタにして書いてしまいそうだ。岳さんてば。 .
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