281人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「宇宙がどうのこうのもいいけどさ、まだ地上のことすらよく判ってないってのに。人間の偏った興味、どうにかならないかな」
そこまで一気に喋って、岳さんはようやく気が済んだのか「ふー……」と溜め息をついた。
「……日本のお医者さんじゃそういう検証、出来ないだろうね。血を取った患者さんにいちいちカウンセリングしたり、同意してもらうわけにもいかないだろうし……」
「そ。性格には後天的なものの影響も大きいから、家族や友人関係まで見なきゃいけない。
とんでもない数の統計が必要になるってのも判ってる。
でも根拠がないなんてまだ言い切らないで欲しいね、俺は。
うまくいけば動物占いみたいに“気にしないA型”とか“小心者のA型”とか分けられると思うんだけど」
「うーん。できたら楽しそう……」
「血と体液の血液型違うってヤツは難しいけど」
「岳さん、それ以上はあたしがついてけない」
「そう?」
ようやく我に返ったのか、岳さんはちょっと恥ずかしそうに肩を竦めて笑った。
なんか、今話してたことすら後々ネタにして書いてしまいそうだ。岳さんてば。
.
最初のコメントを投稿しよう!