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スタートがそれだったせいか、岳さんとお父さんの関係はすこぶる良好なものとなっている。
岳さんのお母さんにも先週会ったけどあたしは緊張しっぱなしだったっていうのに。
岳さんのお母さんは明るくて気さくな方だったけど慣れるまでには時間がかかりそうだし。
「ええ、承知してます。もちろんですよ。ちゃんと考えてありますので。はい、大丈夫です」
それでは、と岳さんはあたしに携帯を返してくれる。
「お父さん?」
『いや、華緒梨ぃ。岳くん、ホントいい子だなぁ。俺があれこれ言わなくても、ちゃんと判ってくれてて。いや、ありがたいありがたい』
「……?」
輪をかけて上機嫌になってしまったお父さんに首を傾げつつ、用はそれだけだというので切ってしまった。
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