終章・あしたも、あさっても。-2

19/34
254人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
   ぼんやりと考えながらせー兄ちゃんを見ていると、疑わしげな視線をもらってしまった。 「なんか、よくねえこと考えてんだろ」 「ううん。お義姉さんは大変だろうな、って思っただけ」 「何が大変なんだよ」 「何だろう……」  言ってはみたものの、具体的には浮かばない。  ただ、この人があたしの兄でよかったと思うだけだ。  でも、ずっと前から判っていて、佐々木さんのことを今日まで黙っていた……黙っていられるその感じが、我が兄ながらちょっと空恐ろしかったりする。  こういう人の恋人とか奥さんとか、そういうポジションがどんな感じなんだろうっていうあまり想像できない。  お義姉さんがいつもニコニコしているだけに。 .
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!