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いつもは人格まで窺えるようなあとがきなんて書かないくせして、素の岳さんがそのままの文章。
もう、途中から涙で見えなくて、必死に読んだ。
こんなプロポーズ、ふたつとない。
本当のあたし達のことなんて何も知らない人の前でまでこんな、誓うようなこと──。
バスの中でべそべそしてしまったものだから、岳さんはきっと大変だったに違いない。
バッグの中の表紙が少し見えただけで、また泣きそうになってしまう。
慌ててメイクを何とか整えて──それでもまだ目の周りは赤いけど、パウダールームを後にする。
すると、あたしと入れ替わるようにパウダールームに向かう女性2人組が顔を赤くしていた。
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