終章・あしたも、あさっても。-4

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   いつもは人格まで窺えるようなあとがきなんて書かないくせして、素の岳さんがそのままの文章。  もう、途中から涙で見えなくて、必死に読んだ。  こんなプロポーズ、ふたつとない。  本当のあたし達のことなんて何も知らない人の前でまでこんな、誓うようなこと──。  バスの中でべそべそしてしまったものだから、岳さんはきっと大変だったに違いない。  バッグの中の表紙が少し見えただけで、また泣きそうになってしまう。  慌ててメイクを何とか整えて──それでもまだ目の周りは赤いけど、パウダールームを後にする。  すると、あたしと入れ替わるようにパウダールームに向かう女性2人組が顔を赤くしていた。 .
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