終章・あしたも、あさっても。-4

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   他人の筈なのに、親子に見える……。  ひょっとしたら、あたしのお父さんはあたしが感じている以上に“お父さん”という生き物なのかも知れない、と思った。  自分の子ども達くらいの年代の人を前にすると、自然とそうなってしまうたちなのかな……。  考えながらも思わず、岳さんに目がいってしまった。  笑った顔、本当、大好き……。  岳さんが笑ってくれるだけで、どうしてこんなに心がふわふわするんだろう。  今なら、どんなテロリストの凶行も抱きしめてあげられそうな気がしてしまう。  すると、岳さんがふとあたしに気付いて軽く手を振ってくれた。 「大丈夫か?」  静かにテーブルに戻ったあたしに、お父さんが訊いてくる。  目を腫らしていた理由、岳さんはなんて言ったんだろう? .
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