終章・あしたも、あさっても。-4

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  「うん、今日はバスの中の匂いがきつくてちょっと」 「帰りは送ってやろうか」 「ああ、大丈夫です。心配だったらタクシーを使うので」  すかさず岳さんが言ってくれて、あたしはそのままへへっと笑った。  そのあたしの姿がなんか幸せそうに見えたのか、お父さんは思わず顔を崩す。 「しかし、俺がおじいちゃんになるのかー……」 「会う度に言ってませんか、それ」  メニューを開きながら、岳さんがクスッと笑った。するとお父さんも苦笑する。 「いやね、最初の孫は聖夜のところだと思ってたからなあ」 「それもそうですね」  岳さんはちょっと考えてから、お父さんに相槌を打った。  ……なに考えたんだろう、今。 .
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