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「うん、今日はバスの中の匂いがきつくてちょっと」
「帰りは送ってやろうか」
「ああ、大丈夫です。心配だったらタクシーを使うので」
すかさず岳さんが言ってくれて、あたしはそのままへへっと笑った。
そのあたしの姿がなんか幸せそうに見えたのか、お父さんは思わず顔を崩す。
「しかし、俺がおじいちゃんになるのかー……」
「会う度に言ってませんか、それ」
メニューを開きながら、岳さんがクスッと笑った。するとお父さんも苦笑する。
「いやね、最初の孫は聖夜のところだと思ってたからなあ」
「それもそうですね」
岳さんはちょっと考えてから、お父さんに相槌を打った。
……なに考えたんだろう、今。
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