終章・あしたも、あさっても。-4

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   同じ言葉を繰り返すあたしを見て、岳さんは笑った。  その笑顔を見ながら、ふっと何かが頭を過ぎった。それこそ、流れ星みたいに。 「んん? なんか今、思い出しかけたんだけど」 「なに」  あたしが眉根を寄せて考え始めたものだから、岳さんは立ち止まった。  岳さんの笑顔を見て、なんか前もこんなことがあったような……と思った。 「んん……本当に、なんだっけ。こういうの、気持ち悪い」 「ゆっくり思い出せば」  ふっと笑う岳さんの顔を、もう一度見る。  岳さんがあたしの前で笑ってるのなんて珍しいものでもないし、色んなデジャヴュが重なって曖昧だ。  でも、もうちょっと。  もうちょっとちゃんと集中したら、思い出せそうな……。 「……あっ!」 .
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