終章・あしたも、あさっても。-4

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   暴露ブログ事件を思い出してくれたのか、岳さんは困ったように眉尻を下げた。  この件に関しては、彼は本当にあたしに対して弁解の言葉もないらしい。  この何ヶ月かの間に、「あたしはもう気にしてないからね」っていう意思表示のつもりで、夏のことを冗談で口にしたことがある。   本当にあたしは冗談だったのに、三度目くらいで岳さんが本気でヘコんでしまって、2日くらい口を聞いてくれなくなった……。  三度がしつこかったのかどうかは自分じゃよく判らなかったけど。  とにもかくにも、それからというものいたずらにその時のことをいうのはやめにしているんだけど。  今日は、本当にその時のことを思い出したんだから仕方がない。 「あの日、あの時、あたし学校済んだら岳さんのところに行くって話してたじゃない! 忘れちゃった!?」  あたしが一気に言うと、岳さんはふと真面目な顔になる。 .
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