0には希望を

2/27
前へ
/27ページ
次へ
      ○○○○○○○   「知ってる? ここら辺で最近不審死が多いんだってー!」 「そういえばニュースでよくやってたわよね、死因が全く不明の死体が見つかってる って」 「うんうん、それもたった一ヶ月で六人も! 五日に一人だよ!」 「ホント、怖い世の中ね」 「あれ、実は……」 「実は……?」 「時間を止められる人間がやってるらしいよー!」 「……あ、そう」 「もう! 反応薄いよ! もっと驚いてよー!」  それは噂であった。  このように女子高生たちが噂をするだけのような、根拠もない噂。  オカルトとしてささやかれて、次第に消えていくような――。  ぱたり。  彼女たちの後方、およそ三十メートル。  七人目。  何が起こるでもなく男は倒れた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加