第4話 突然変異コンビ

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終電後の繁華街の静かな通りを、一人の女が歩いている。 胸元を強調した服にミニスカートはその外観上の年に見合っていな かったが、彼女自身は何の恥じらいも見せていない。 客との待ち合わせ場所である、寂れたマンションの裏に着いた。 白壁にもたれかかっている細身の気弱そうな男. 安物の灰色セーターから突き出た弱々しい両腕を見て、女は楽な仕事 であることを直感した。 ひょっとすれば、手だけで彼はイクかもしれない。 おそらくあの様子じゃあ一発だけ。 出したってことでこっちの役目は終わり。 女は笑顔を作り、客に話しかけた。 「あの、ハンドルネーム”スラッシュ”さんですよね、そのセー ター」 スラッシュと呼ばれた男は女の方に顔を向けた。 若い男のようだが、お世辞にもハンサムとは言えない。 笑顔を作っているつもりらしいが、目の隈が不気味な装飾として作用 している。 「私、ミホです。ハンドルネーム、ミホ」 「……」 「出会い系掲示板、書き込みまし――」
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