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スラッシュは突然女に抱きついた。
くびれの辺りを右腕ががっちりと掴み、離さない。
「いや、ここではダメですよ、ホテルいきましょ? それに、お金……」
ああ、とスラッシュは曖昧な返事をした後、自身の左手の中指の甲の
肉を口先で軽く噛み、そしてそのまま引っ張り上げた。
まるで手袋のように彼の左手はするりとぬけ、そこには石灰色の巨大
な刃が生えていた。
等間隔で切れ目のような線が入っているそれは、巨大なカッターナイ
フを彷彿とさせる。
叫び声をあげようとする女の口に、スラッシュは素早くカッターをね
じ込み、そしてそれを勢いよく揺り動かした。
声にならぬうめき声とともに咥内から血が大量に噴き出し、やがて頬
が安物のビニールのように引きちぎられた。
スラッシュは止めることなく、血のあぶくを吐き続ける女の体へ何度
も何度も刃を突き刺した。
素早く、力強く。
息を荒げつつ刃を抜いた時には、女の体は出来損ないのミンチの如き
様を呈していた。
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