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時間は夜10時を回ったところだ。席を立った広川は、ワインを片付け始めた。
「あ、はい」
あれ、これで終わりなのかな?帰っていいのかな??玲子は座ったまま所在投げな表情を浮かべていた。
「ん?どした?ああ、そうか明日の待ち合わせね。明日のアポは9時半だっけ?じゃあ、あのテレビ局はたしか下に喫茶店があるらしいから、そこに9時にしよう。念のためパソコンも持ってきておいて。
俺、これから台湾の放送業界のこともう一回調べて寝るわ。
じゃあ、お休み。」
「あ、はい。では、おやすみなさい。明日、よろしくお願いいたします。」
玲子は、足早に部屋を去り、エレベーター内で一息ついた。
「ふう、、、なーんだ。全然大丈夫じゃない。警戒して損した。これも・・」
と言いながら、ボイスレコーダーのスイッチを切った。
内容は聞くまでもない。
「なんか、明日のプレゼンに集中してる姿、ちょっとかっこよかったな。。」
いかんいかん。危険人物危険人物。
玲子は自分に言い聞かせながら、ホテルへと戻った。
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