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桃花林では、個室で、夏美が既にしかめっ面をして待っていた。
「ごめん、遅くなって。」
「紹興酒頼んどいたから。座って。」
竹下が、上着を脱いで腰掛けようとしているあいだに、夏美は次々と注文をしちた。
「あのさ、先週から探偵に、伊能さんの周辺洗うように言っておいたから、そうねえ、、来月末には報告来るんじゃないかな?
すると、年内に社長はある程度、来年の人事固めて、年明けに産業新聞や財界に根回しするだろうから、
11月が勝負ね。月末の取締役会をXデーにしましょう。」
「おいおい、のっけから何の話だよ。探偵だの勝負だの。一体何をやるつもりなんだ?
だって、今日のあいつ見てわかったでしょ?あんなのまだ序の口よ。これからどんどんやってくるわよ。
大体、単なる報告が慣例の会であんなに突っ込んでくるなんて、度を越してるわ。
物事を議論するのは、局長戦略会議でやるはずなのに、わざわざ、
社長のいる会議狙ってやってるのよ。
イベント事業局なんて、あなたは神輿みたいなもんだから、わかんないかもしれ
ないけど、古手の人たちは、相当危ない、悪どい事やってるって話だよ。
つまり、叩けばどんだけでもホコリが出るってこと。」
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