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そんな日常の中でさ、君は突然現れた。
赤色リボンの制服着た女の子。
今日も誰も聴いちゃくれない、そう思っていた僕のギターケースの傍にちょこんとしゃがみ込んで、嬉しそうに笑った。
僕の歌を聴いて、嬉しそうに笑ったんだ。
だから僕は、いつも以上に一生懸命歌った。
次の日も君はやってきた。
何も言わない、ただ嬉しそうに歌を聴いているだけ。
その次の日も、そのまた次の日も。
なあ、それが一体どれくらい幸せをくれるものなのかって、君は分かっているのかい?
僕は嬉しかったけれど、涙で声が引っくり返るのを堪えるので必死だったんだよ。
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