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だけどある日、君は突然笑わなくなった。
どれだけ観客が増えても、僕のギターケースの傍にいたのに。
ある日僕の歌を聴いて泣いていた。
どうしてだろう。
どうして泣くんだろう。
その涙の理由が分からないまま、君はぱたりと来なくなった。
君の代わりに、沢山の観客。
路上からライブハウスへ、その内レコード会社とも繋がりができて。
全く上手くいかないときは全く上手くいかないのに、ひとつのきっかけだけでポンポン事が運んでいく。
僕の歌は、路上で歌わなくたって街中に流れるようになった。
なのにさ、歌っているとさ、僕は君の笑顔を思い出すんだ。
きっと手に入れたものは大きくて、その内僕の空間を突き破るんじゃないかって思う位だけど。
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