極短編 だるまさんに足がある

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 僕のすぐ脇を、車が猛スピードで駆け抜けていく。  ここは首都高速。本能が「逃げろ」とシグナルを送ってくる。  警告に従って僕は走った。  車だけが行き交う深夜の高速道路を。  人っ子一人いない路側帯を。  追い抜いていく車の窓には例外なく驚きと笑いが張り付いていた。  想像できるだろうか。だるまさんが足を生やしたその姿を。  想像できるだろうか。必死こいて走るだるまさんの姿を。  想像できるだろうか。注目の的となっただるまさんを。
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