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黄緑
苦い お抹茶を淹れて
ご主人様は一服中
退屈にうんざりの猫は
重たい本の頁をカサリ
書き綴られた主の秘密を
知っているのは猫様だけよ
いっそ一枚 二枚と破いて
ご近所さんに お裾分けする?
邪魔だと外に追いやっても
猫が居なけりゃ駄目なくせに
気難しい茶人の侘寂なんて
気紛れなお髭には通用しませぬ
ガサゴソ物音 聞き付けて
ご主人様が やって来る
大きくて温かな手が
抱き上げてくれさえすれば
取り敢えず 猫は
満足なのです
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