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「さっきから人のことを『実験体』だの『NP3228』だの言いやがって。俺には『カズマ』って言う名前があるっつうの!』
男、カズマは不満げな顔をしながら、どこまでも続いている終わりの見えない廊下をあるいている。
すると、
「実験体NP3228を発見!直ちに処分する!全員武器を構えろ!」
まるで、軍隊かの様な装備をした10人程度の人達がカズマに一斉に機関銃を向ける。
「まったくよぉ…たかが十人程度で俺を殺せると思ってるなんてよぉ」
カズマは目の前の光景に恐怖の色を見せなかった。
それどころかカズマは、
重心を低くし、装甲で覆われている手を後ろに引き、拳を握った。
目の前の人達に向かって構えをとったのだ。
カズマと軍人達の間には、未だ鳴り止まない警報の音を残し、静まり返っていた…
「衝撃の…」
カズマの呟いた言葉と同時に、背中には三本有る羽根の内の一つが砂状に消えていく。
「ッ!!全員打てぇっ!」
カズマの異変にいち早く気付いた軍人達のリーダー格の人物が命令を出した。
………が
その時には、もう既にカズマは自分達の前にいた…
「ファーストブリットォォオオッ!!」
その声とその後に鳴り響いた爆音を最後に、軍人達の目の前は黒に染まった。
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