全ての始まり

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苦笑いをしながら、ポッケから手を出しカズマに『そんな気は無い』という意思を伝える為、掌を見せ後ずさる。 「何の力も無い僕がそんな無謀な事する訳ないでしょ」 「なら、何で此処に来たッ!」 浅間を眉を寄せながら睨み、一行に構えを解かぬまま質問をする。 「別れの挨拶をしに来たんだよ。君とは結構な付き合いになるからね…」 浅間は何処か遠い目をして天井を見つめた。 今迄の彼との想い出を思い出すかの様に… 「はぁ…そうかい」 ここでようやくカズマは構えを解いて頭を掻きながら、浅間の足元を見た。 「それで、其処にいるガキはなんだ?そいつも俺に挨拶してくれんのか?」 カズマはふざけた様な笑みを浮かべながら、浅間の足元に、正確には浅間の白衣の中に隠れている若干涙目の三歳位の子供を見つめた。
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