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ふうっと息を吐いて
ヘッドレストに頭を預けた
彼女の姿に痛む胸。
冬木部長の
マインドコントロールから
抜けさせるために
一時的に支配しただけで
あなたとの未来など
ないと言い切った俺に
向けられた哀調を帯びた瞳で
さらにその痛みが強くなる。
「俺が本社にいるのは
半年だけです。
半年過ぎたらまた香港に戻ります。
俺が日本にいる間に
冬木部長を忘れて
本当に愛すべき人を…
未来を見つけて下さい。
つまり俺はあなたが…
前島香織というプランナーが
自分の世界を広げるための
ステップだと思えばいいんです」
つらつらと述べながら
俺の心は悲鳴をあげていた。
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