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「拓哉」
「なに」
「あの、夕飯が出来ましたよ。」
「ああ、うん。」
拓哉を真っ直ぐ見詰めながら言うと、彼は愛犬のハクを見つめたまま返してきた。
その声もどこか気が抜けたような、無関心な感じがする。
…..少し位こっちを向いてくれてもいいんじゃないだろうか。
なんて思いながらも彼は、私を見ない。
まるで、私なんていないかの様な、ちらりとも振り向かない。
本当に私の声が聞こえてるのだろうかと心配になる。
そして、さっきより小さな声で、
もう一度彼の背中に声を掛けた。
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