第2話

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「その……。一緒に住んでくれますか?」 まだ諦めてなかったのか。 ただ何と言っていいのか分からない。 お兄さんの横は好き。 この花の香りも好き。 でも、 『俺、……バイかもしれない』 「そら?」 『聖さんが好きなんだ』 こんなのって無いわ。 「ありがとうございます。でも明日には一人暮らしのマンションに戻る。そしたら、もう此処には来ない」 「えっ」 「私の荷物も、処分しちゃっていいから」 そう笑うのがやっとだった。 息が詰まるようなこんな場所、もう居たくない。 「そうですか……。そらも僕の傍は嫌ですか」 するりと腕を離された。 見上げた悲しそうなお兄さんに胸が痛む。 でも苦しいんだもの。 「響が居るでしょ?」 空気を変えようと冗談で言うけど、悲しみに沈んだままの表情でお兄さんは言った。 「響は手放せない大切なパートナーですが、 僕は彼だけでは満たされないんです。常に餓えてます」 何に? 『愛』ですか? 『性欲』ですか? 大切なパートナーって言い方も気になる。 お兄さんは、響が自分の事、好きって知ってんの?
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