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「すぐ、温かいのをつけるからね」
美奈子は、おしぼりを作る手をとめて熱燗の用意をした
「そこに書いてあるじゃないか『まだいいかな、と言って、御来店のお客様にはお銚子1本サービスで~す』って」
屈託のない笑顔で話す
若い頃は愛車のスカイライン・ケンとメリーを乗り回し暴走族「シルバーマグナム」を立ち上げ、総勢100人の総長として破天荒な日々を送ってきた
美奈子の運転の腕前は知ってはいたが決してグループには誘わなかった
当時、泣く子もひきつけを起こすと恐れられた銀次の誘いには美奈子とて術はなかったはず……
銀次は美奈子に惚れていたのだ、そして今でもその気持ちは変わらない・・・
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